三木崇稔のゆるふわ哲学

難しい考えを抜きに哲学するブログ

あなたは「愛」と「恋」の違いを言えますか?

愛とは

人と人を結びつける力 byエーリッヒ・フロム

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エーリッヒ・フロム

人類に限らず、すべての生物に共通する使命があるとすれば、それは「子孫を残すこと」ではないでしょうか?その子孫を残す上で重要なキーワードが「愛」です。

 

ここでよくある疑問が、愛と似たような意味を持つことば「恋」について。愛と恋の違いは何なのか、明確に言える人はそれほど多くないように感じます。では、愛と恋の違いは何なのでしょうか?

 僕なりの答えとして、その違いは範囲の違いだと考えています。

 

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愛と恋の違い

 

まず恋について、恋は基本的に性的な感情あるいはそれに近い感情を抱く関係に使用される狭義的な言葉だと考えられます。そのことは「恋」という言葉が使用された熟語、「初恋」や「恋慕」、「諸恋」から見ても明らかです。それに対し、愛は「隣人愛」や「友人愛」、「親子愛」など男女関係に限らず、さまざまな場面で使用されていることから、恋より広義的な言葉だと考えられます。

 

だったら、愛は恋よりも優れているのかというと、必ずしもそうだとは言い切れません。「恋愛」という言葉があるように、この二つの言葉は同等なものとして、並列する言葉であると考えるのが自然でしょう。言い換えるなら、子孫を残す上でも人を愛する心を持つことが必要だけれど、その前に恋する心も持つことを避けられないということ。つまり、愛だけでは不十分なのです。それは、男女間に限らず、その他のものを愛する場合でも言えます。

 

恋を別のことばで表すなら、「期待」や「希望」。そして、それらの感情は自分の満足感や幸福感を満たすもの。つまり、自分を満足させらないと、何かを愛する余裕は生まれないものです。

 

また、自分だけではなく相手の何らかの期待や希望を抱いています。そのことを踏まえ、お互いがお互いの充実感や幸福感を満たし合うこと。そういった双方向の思考を持てて、はじめて愛する心を持てたと言えるのです。